痛風の人の飲酒
ビールは痛風に悪い?
痛風と言うとビールが話題に上がります。確かにビールは他のアルコールと比較して5〜10倍以上のプリン体を含んでいます。お酒に含まれるプリン体の量は、焼酎のプリン体はゼロと蒸留酒にはプリン体は少なく、醸造酒は多い傾向があります。それならプリン体ゼロのビールなら良いのか?と安心して飲むのは危険で、注意すべきはアルコールそのものの量だからです。
飲酒の注意点
アルコールは体内で分解される時に尿酸が作られ、同時に作られる乳酸が尿酸を溜め込んで排出しにくくします。更にビールは吸収が早く、ビール1本を飲むと1~2時間で血中尿酸値が10%も上昇するそうです。酔いたいから飲むのであれば、プリン体ゼロのビールでも全く意味がありません。どの程度なら飲んでも良いのか?
飲酒は飲まない人の2倍の痛風リスクがあると言われているので、飲まない方が良いに決まっていますが、日本酒1合、ビール500ml、ウイスキーダブル1杯(60ml)以内にし、週に2日以上禁酒することと紹介されています。しかし、これは治療のガイドラインなので痛風の薬を飲んでいる人の飲酒可能量であることを理解しておく必要があります。ビールを毎日1缶飲む人は6年間で尿酸値が0.5~1.0mg/dL上昇すると報告されていますので、尿酸値を下げたいと考えている人はもっと量を少なく、飲む機会も減らす必要があります。
尿酸値が下がったお酒もあります
それを早く教えろと思う人も多いと思いますが、ワインは1回1グラスで6年間飲むと血清尿酸値が0.04mg/dℓ 下がったとの報告があり、これはポリフェノールの抗酸化作用によるものと言われています。しかし、例えワインであっても、量が増えると尿酸は増える傾向に変わるそうです。実際に下がるか否かは体質による影響が大きいので、自分で確認しながら試すしかありません。
つまみに注意
お酒を楽しむ時のつまみは特に注意が必要で、多くのプリン体が含まれています。刺身、さきいか、レバーの焼き鳥など、お酒を飲む時に高プリン体食品を食べないように注意する必要があります。上のイラストを見て、どれが高プリン体食品か分からない人は、痛風の食事の基本のページから食材に含まれるプリン体の量を確認してください。